お世話になります。えびすい@ALPHAです。
とある知人が大橋鎭子さんの「すてきなあなたに」のことをSNSで書いてらして、そういや実家にあったなあ、中学生の頃読んだっけなあとなつかしくなったんだけど、おっさんがその投稿に「いいね」とのっかるのもなんだかなあと思って自主規制してました。
今般、正月に実家に帰省して本棚に見つけたので引っ張り出してみました。
NHKの連続ドラマ『とと姉ちゃん』は観ていなかったのですがドラマでは「小さなしあわせ」として登場していたのですね。
実家の本棚にあったのはこちら、昭和五十一年三月二十日第六刷。
せっかくなので、今更ながら気付いたすてきなことなんかをいくつか紹介します。
装釘と飾絵が花森安治さんです
この版は箱入りでこんな感じです。
挿絵でなく、飾絵としているところがミソですね。
上段に章ごとに違う絵が配されています。
そして、単行本であまり見かけない三段組。
各文章の見出しは手書き文字ですよ。
「紅い小かぶ」の一文。ついでに文章も読んでみてください。余談ですが、このエッセイや確か「暮らしの手帖」で紹介するレシピ、「バター」を「バタ」と表記するんですよ。独特の空気感を醸す小道具の一つですね。
独特の紙質と活版印刷
この時代はまだ活版印刷が普通にあるころ。
紙質のことはぼくは詳しくないんだけど、普通の単行本の紙と少し違う、辞書に使うような薄くて強い紙。
そして、活版印刷だから前のページの文字が浮き上がってますし、読んでいるページの文字はかすかにくぼんでいます。
実は十数人の方が執筆に関わってます
「暮らしの手帖」誌掲載時から大橋鎭子さんが1人で書いているとぼくは思っていたのですが今日そうではないと知りました。
文化人とのやりとりや思い出の話、海外でのくらしや旅行の話、当時は物珍しいレシピ、すごく顔が広くて知識も広くてあちこち旅行されていて、すごいなあと思っていました。
実は、かなりの方の原稿やメモ、話を元にして書かれていたのですね。
あとがきには、増田れい子さん他13名の名前が書いてあります。
網野菊、中里恒子といった名前が並んでいます。
あまりよく知らない名前なのですが、それぞれググってみると、けっこうすごい方達ですね。
最後に
よく「ていねいなくらし」といった表現で紹介されていますが、たしかにこれを読むと落ち着いた心豊かな生き方が行間から立ち上ってきます。
この一文もいいですよ。
ぼく自身が読んだのは、小学校高学年から中学生くらいでしょうか。
素直な心で読める年頃の時に出会ってほしいエッセイです。
現在は、こんな感じで出版されています。
ぼくが紹介した版の後継はこれでしょう。たぶん。
- 作者: 大橋鎮子
- 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
- 発売日: 1994/09
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
以上。