お世話になります。えびすい@ALPHAです。
Facebookのように実名制ではない。 とんでもない写真を投稿して物議をかもす。 裏垢とか炎上ってなんなんだ。
そんなのを聞くと、Twitterはじめるのは腰が引けますよね。
Facebookはたまにチラ見するけど、実際にTwitterやるのはなあ、 でもどんなんもんか雰囲気知りたいなあっていうおっちゃんおばちゃん、いるだろうなあと思って「何者」オススメの文章を書いてみます。
今更ですが、2013年に直木賞を受賞した朝井リョウ「何者」を最近読みました。
乱暴に要約すると、「仲間とともに就活を経験した若者の成長譚」です。
で、書評や感想文っぽいことは抜かして、Twitterに興味があるおっさんおばさんに紹介したい点は2つ。
- 一つ目
これ、冒頭の登場人物の紹介ページです。 Twitterのプロフィール欄形式です。 各人のプロフィールの書き方を含めて、どういう人物か表現しているのです。
Twitterしている若い人だと、これだけでどんな人物なのかアウトラインつかめるんだろうなと思います。 この時点でわからなくても読み進めていって、時たまこのプロフィールを見返すと、登場人物がどういうやつなのかじわじわとわかってくる仕掛けになっています。
一つだけ、わかりやすいのピックアップします。
ネット時代の就活ではないおっさんおばさんでも、就職活動を経験している人であればピンときません? 良かったのか悪かったのかは置いておいて、1類型としてこういう人いましたよね。
- 二つ目
何が書いてあるかは置いといて、形式に注目です。 通常の文章とともに、Twitterでの投稿自体も小説の一部なのです。
登場人物がその瞬間、実はTwitterでは何をつぶやいていたか。
6時間前になにをつぶやいていたか。
出会った人物が明かしていないアカウントを見つけて過去に遡って読みふけるとか。
相手が何をつぶやいているかは知っているんだけど知らんぷりをするとか。
Twitterがある現在の設定なので、もともと小説にある外面内面の描写というのを、この小説はさらに「つぶやき」も重ねて表現しています。 読み進めるにつれ、現実とつぶやきのズレもうまくストーリーの展開に利用していることに気づきます。
今の若い人は、Twitter上でどう振る舞うか、さらには裏のTwitterアカウントでどう振る舞うかも、試行錯誤でブランディングして学生生活を送らなければならないってこと、とても身につまされます。
そんなふうにTwitterでつぶやいた結果投影された「自分」と対峙して生きてるんだってのは、「何者」を読んで実感をもって理解(想像?)できると思います。
そして、最後の1ページ、最後の1行をよむと、おっさんおばさんは、二十歳過前後の年頃のお子さんいるならなおさら息子娘と重ね合わせて、じんときて目の前がぼやけてくると思います。
Twitterやってないおっさんおばさんも、ぜひ「何者」を読んでTwitterの雰囲気+若者の苦悩葛藤を味わってみてください。
そして、Twitterってそういう風にも使われているって想像してみてください。
以上。
- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/11/15
- メディア: Kindle版
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る